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奇天烈 : デイリーコラム 種田とベートーベン 金田善裕
投稿者: kaneda 投稿日時: 2010-8-25 14:37:24 (2633 ヒット)

実に、二十日ぶりの更新となってしまった。最近、自分の近所を歩いてみた。1ブロック歩いて、通りを渡ると、そこはテンダーロインという地域で、サンフランシスコで一番、危ないエリアと言われている。なので、あまり近所を歩いたことはなかった。テンダーロインと正反対の方向に1ブロック歩くと、黒人貧困層の暮らす低所得者層の住宅地で、そっちはジャパンタウンに行くときにブラックの生活をのぞき見するためによく行っていた。
 だが、もう一本、北のストリートに行ったことはなかったのだ。けっこうきれいな住宅街に見えると遠巻きにして眺めていた。で、なんだかそのあたりに行くチャンスがあって、一回りすると、中流層の住宅街で窓にいろいろな飾り付けがしてあって、なかなか生活感があって面白かった。少しお金のある人たちの世界を見た感じである。ただ、少しです。高級住宅街というのではない。近所の公園もそういうところに住んでいるのか、白人で犬を散歩させに来る人がいる。
 さておき、最近のぼくだが、けっこう元気である。今年はバーニングマンに行く予定で、今日はアマゾンで買った寝袋とかテントが届いた。果たして12年ぶりバーニングマンはどうなっていることでしょう。
 で、ここから小説にします。


 サンフランシスコの安アパートで種田は思うのだった。狛江の花子はどうしているだろう。今日は贅沢をしてアパートの自販機で買ったナチョスをバリバリ食べている。ちょっと歩けば同じ値段で倍の量があるものが買えるのに。安アパート暮らしの種田にとって唯一の贅沢と言えば1ドルするナチョスを二つ買って、スニッカーズというチョコレート菓子を買って、スニップルというフルーツ茶を飲むことである。全部で5ドル。種田のレートで考えると440円ぐらいだろうか。まったく狛江の生活変わらない。種田はその現実にたびたび直面するのだった。「狛江とどこが違うのだろう」と種田はよく思う。
 違わないのだ。種田のような人間はサンフランシスコに住もうが、何一つ変わることなどないのだ。不幸だ。
「おれに安住の地はない」種田は一人そうやってつぶやく。
 たしかにそうかもしれない。
「人間に安住の地などないのだ」
 種田はさらにつぶやく。
 不幸を幸福に変える方法はない。ベートーベンは後半生、耳が聞こえず過ごしたのだ。そしてその運命こそ、ベートーベンを作ったのだ。え、それでは種田の将来はベートーベンですか。

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